A trip to Toulouse

春 の雨がふる早朝、私は小さなプロペラ機に乗り、あるドールコレクター宅のあるスペインに近いフランス6番目の大都市トゥールーズへ向かった。天候が悪く上 下に揺れる機内で、私は何時に無く落ち着かなかった。モナコから700kmのこの都市は、コンコルドやエアバスなど空港宇宙産業の拠点であり、学問の都市 として大学を中心に7万人以上の学生がいるという。無事に着き街を歩いてみると、なるほど、若い人が多くみられ活気がある。そして町並みは、『バラ色の 街』と呼ばれるように、赤いレンガの建物や家が目立っていて他の都市とは違った印象・・・市庁舎があるキャピトル広場のレストランに入ると、宮殿のサロン のように色とりどりの花が飾られ、天井や壁には美しいロマネスク芸術がみられ、私の目を楽しませてくれた。そしてやっと落ち着き、今日の出会いを待ちわび る嬉しさがこみ上げてきた・・・
外はまだ雨がふっている・・・足早にオーギャスタン美術館に。
14世紀の建築アウグスティヌス修道院が美術館として開放されていて、その中庭はどこかで見たことのある風景? 映画のワンシーンにいるような錯覚にもなったり、ミステリアスな空間・・・そして大広間に入ると・・・ここは時間が止まっている!
私は長い間、言葉で言い表す事の出来ない不思議な感覚の中にいた・・・そしてその感覚は、新しい人形との出会いの間も続いたのだった・・・