色彩の象徴性の相対性を最もよく示しているのは黄色です。西洋では黄色に最も否定的な価値が 付与されていましたが、中国では黄色は皇帝専用でした。中世では、詐欺師や嘘つきは黄色 で飾られました。ユダと結び付けられた黄色は、ユダヤ人に課された明確な印である車輪 の色でした。そして、プロレタリア闘争における「裏切り者」の色となりました。スポーツ界にも この二元性が見られます。黄色の「カード」は規則違反者を罰する一方で、黄色のジャージは 最高の自転車競技の証です。ドラクロワとシニャックにとって黄色は幸福と豊穣の象徴であり、 クプカにとっては悪名、悪の場所を示すものと結び付けられました。ゲーテにとって「明るく、 甘く、喜びに満ちた」色である黄色は、パストゥローが回想するように、胆汁、尿、貪欲、 そして悪徳の色でもありました。
ゲオルク・バゼリッツは1969年以来、絵画の反転表現に取り組んで きました。彼にとってそれは、絵画の主題をモチーフへと変容させる こと、つまり、場面の物語性や象徴性を取り除き、模倣的な要素 を排した純粋な絵画を創り出すことにありました。しかしながら、ここ では場面は容易に識別できる。自転車に乗った二人の 裸婦が、太い筆致で描かれた黄金色の水に浸かっています。バゼリッツに インスピレーションを与えたイタリアでの休暇の記憶は、重力 の反転によって変容すし、そして色彩が支配権を握り、黄色と 青が夏の回想の中で主役となったのです。
ゲオルグ・バゼリッツ『オルモワゼルII世』
1981年 キャンバスに油彩、250 x 249 cm